うちには小学6年生の息子と小学3年生の娘がいます。夏休みの話ですが、”5冊以上本を読む”という宿題が出て、学校の図書室で5冊を借りてきました。
その中に、プラスチック問題について書かれている『クジラのおなかからプラスチック』(保坂直紀:著)という本がありました。6年生の息子に「よかったら、お母さんも読んでみたら?」と勧められたので、私も子どもが宿題をしている傍らで読んでみました。私はこれまでにも、様々な環境問題に関する本を読んできていますが、やはりすっと自分の中に入ってくる本と、とっつきにくいという本があります。説教臭い文面の本はなんだか不快にもなりますし、海外の本を日本語訳した本では、自分の知識と教養をひけらかしたいだけなのか?と思ってしまうようなまったく理解できない本に出くわすことも。
クジラのおなかからプラスチック | 保坂 直紀 |本 | 通販 | Amazon
そんな中、この『クジラのおなかからプラスチック』という本は、タイトルからの印象では子供ごころに訴えるちょっと環境啓蒙の高い本なのかな・・・という不安があったものの、読んでみると、著者の温和なお人柄(あくまで想像です)が出てきて、かつ知るべくポイントが非常にわかりやすく学べて、庶民派SDGs推進家の私としては、とてもおススメです。
おススメポイントは2点。
1.私たちの生活がプラスチックにどれだけ囲まれているか、プラスチックをなぜ減らさなければいけないのか?ということを数字とかわいいイラストで説明していて、プラスチックの種類、性質など知識をわかりやすく学ぶことができる。
2.プラスチックを削減することによって、どんな将来にしていきたいのか、ということを子どもにもわかるように伝えたい、という著者の想いが伝わってくる。
もう1冊は、小学3年生の娘が選んだ絵本『みずとはなんじゃ』。
みずとは なんじゃ? | かこさとし, 鈴木まもる |本 | 通販 | Amazon
これは、2018年逝去された、かこさとしさんが手がけた最後の絵本。絵は、鈴木まもるさんです。
あさおきて、かおをあらうみず。うがいをしたり、のんだりするみず。みずとは、いったいどんなものなのでしょうか?
出版元紹介から引用。
暮らしの中で出会う水を通して、水の不思議な性質を知り、自然環境に目を向けるきっかけとなるような、 科学する心を育む絵本。
8月のお盆期間、出かけるところもなく、暇を持て余していたので、家族で図書館に行ったときに、娘がこの本を選んできたのですが、「なんでこの本にしたかっていうと、最後のほうを見てたら、SDGsっぽいなって思ったから」
と言うのです!
確かに、一緒に読んでみると、鈴木まもるさんの優しいタッチの絵、地球の上のほうから見下ろした夜のまちの光景とともに、かこさとしさんのやさしい文体で「水はふとんのように私たちの地球を包んでくれて寒すぎず熱くなりすぎない役割を担っている」というお話、そして、広々とした海の絵。さんさんと降り注ぐ太陽の光と森林。「すべてに水がわたしたちの生命を守ってくれている」
水の性質について、科学的な観点からも説明されていて、易しいのに説得力のある深いSDGsの学びの絵本になっています。SDGsなんて一言も書いていないのに、娘もこういう本はSDGsなんだ、と思うんだな~、という新鮮な発見がありました。
子どもが何気なく選んできてくれたこの2冊の本にこの夏は、私のほうが環境問題への学びを深められました。これから秋。読書の秋に励みたいという方には、ぜひおススメの2冊です。