こんにちは。KANKIKUこと環境のきく子です。先月下旬の30日、西東京市の廃棄物減量等推進審議会の視察として、プラスチック容器包装資源の回収先であるJFEプラリソース㈱まで行ってきました。

私たち市民が出すプラスチック容器包装ごみは、一年間でおよそ2700t。資源として回収され毎年、最終回収先を入札形式で決めています。
2年前は、千葉の君津市のほうまで運ばれコークス原料、つまりサーマルリサイクル=燃料にされていて、1年前は川崎のレゾナックでケミカルリサイクル。私自身はケミカルリサイクルになったことがすごく良いことだと嬉しかったのですが、今年度はまた入札先が変わり、川崎市にあるJFEプラリソースと富山県の富山環境整備という2社に決まったとのこと。どちらも主に、マテリアルリサイクルをしているということで、任期最後の審議会となった今回、川崎市のJFEプラリソースさんへ視察に行くことができました。
なかなか制限が厳しく、動画写真撮影もNG、大きな機械で大規模に稼働している工場(広大な敷地)なので、受け入れもそう簡単にしてくださるわけではない、というなか、今年から異動で担当してくださった事務局である市のごみ減量課担当者の方が、粘り強く交渉と調整をしてくださって、15名ほどで行かせていただいたので本当にそれだけでも感謝感激でした。

JFEプラリソース(プラスチック資源ごみのマテリアルリサイクル)

JFEは、鉄鋼の大企業。工場の敷地は広大でした。

工場内に入る際には、安全のためヘルメット、ジャンバー、軍手、保護メガネをつけて入ります。

JFEプラリソースでは、プラスチック容器包装の再商品化事業を行っています。プラスチックリサイクルのなかでは、マテリアルリサイクルに当たりますが、
ではどんなものに再商品化しているかというと、NFボードという製品がメイン商品です。

NFボードは外側のプラスチック板は特殊加工をされたリサイクル素材ではない新しいプラスチックを使用していますが、中のクッション材に容器包装だったプラスチックゴミを資源化し、詰め込まれています。
上記のパンフレットにもあるように、このNFボードは建物の加工工房や消毒室、また畜舎の内壁(養牛や養鶏場)に活用するそうです。抗菌効果もあり、汚れも落ちやすいため衛生的に使用できるとのこと。また、スケートボード練習台やトラックの内装材としても利活用されているそうです。
ほかには、植木鉢のポットになったり、運搬工場などで使用されるパレットに加工されたりしているそうです。
プラスチック容器包装は削減するのがやはり鉄則
工場を見学(写真撮影不可)していくと、まず各自治体から回収した軟質プラスチック容器包装ごみが選別後にコンベアーで運ばれ、作業員により目視で分別作業をしていました。
下記の写真は、自治体で回収した際の中間処理施設のものです↓



中間処理施設でも、作業員によって異物混入の場合や明らかに汚れているプラスチックゴミを手選別で分けていました。
それが大きな四角い塊に圧縮され、川崎のJFEまで運ばれ、そこでもさらに分別作業は人の手と目で行われていました。この日は2名の作業員の方は年配の方でした。案内してくださった社員の方に聞くと、この分別作業は2時間交代で行っているとのこと。
なかなか酷な現場です。
ちょうど私が見ていると、分別されて運ばれてくるはずのプラスチックゴミのなかにオロナミンCの空き瓶が紛れていたり、電池も混入していました。
仕事とはいえ、毎日、ごみの山を見続ける仕事をしている作業員の方の大事な時間を思うと、なんだか申し訳ない気持ちになってきます。
プラ容器包装ごみ、その主な商品は・・・
コンベアーで流れてきて選別している様子をずっと観察してみました。どんなものが多いでしょうか。
独自ランキングしてみました。
1位 食品包装(圧倒的に!)
2位 浴用シャンプー、化粧品の容器
3位 日用品の梱包材
テイクアウト総菜容器、納豆の3連になっている外側のフィルム、お菓子の個包装など、個包装されている食品から出されるプラゴミが圧倒的に多かったです。明らかに、プラスチックの個包装された食品を日々多く消費していることがうかがえます。また、その次は、やはり化粧品の容器が目立っていました。
家庭から出るプラスチック資源ごみを減らすには

今回、家庭からでるプラスチック資源ごみがマテリアルリサイクルされているという最後のところまで見学にいき、改めて分かったことは、NFボードという製品に生まれ変わって活用されているとはいえ、外側の抗菌板の部分は新しい製品(プラスチック製)をJFEが買ってきてその間の緩衝材としてプラ容器包装ゴミを圧縮脱水乾燥して製品にしていました。
また、多くは燃やしてコークスと呼ばれる燃料にしています。
また、毎日、本当にこんな大量のプラスチック容器包装ごみが出て全部リサイクルできるわけではない、ということは明らかでした。
この大量なプラゴミを減らすには、シンプルに個包装のものをなるべく買わない、プラスチック包装以外の商品を選ぶ、簡易包装商品を選ぶ、そしてなにより食品メーカーのほうで、過剰包装商品を作らない、ということになると思います。
もう一歩踏み込むとすれば、政府のほうで、プラスチック包装商品製造の規制をするしかないのかもしれません。
今回動画などが撮れませんでしたが、2022年にCBSテレビで放送されたニュースの特集「大量のプラスチック製容器は“資源ごみ”…でもコストとエネルギーをかけて維持しているリサイクルの実態は!?【コレ知ら】」がとても分かりやすかったので、併せてご覧いただけたらと思います。
プラスチックゴミ問題は思っている以上に深刻です。リサイクルされているから出してもいい、という誤解もあり、またプラスチックがもたらす健康被害についてもまだ周知されていないのも問題です。
また、プラスチックの環境問題については、今後もブログなどで発信し、ゼロは難しいとはいえ、ムダな使用の削減を提案し続けたいと思います。
まずは、ムダに個包装されているお菓子を買うのを控えると良いかもしれません。
みんなで少しずつ減らしていけたらいいですね。