自分のこれまでの営業のスキルを活かして、環境問題に特化したビジネスをやろうと思い、食品会社との契約を継続せず終了し退社したのは、2020年12月末。とても身軽になったと同時に、何から手を付けたらよいのか、と不安に駆られることもあった。そんな不安を解消するために、手あたり次第に情報収集、そして環境問題について知識をもっと深めなくてはと、環境問題に関する書籍を入手し勉強し始めた。すると、わたしがプラスチックのごみの問題に関心を持っていると知った市内に住む親しいママ友の一人が、知り合いの人で、市内のウェブ情報誌にプラスチックゴミの処理の経費の問題について記事を書いた方がいるから読んでみて、とそのサイトを教えてくれて、さらにその方を紹介してくれることになった。
記事を書いたのは、Tさんという女性で会社勤めをすでに定年退職され、地域の居場所作りを今はライフワークにしている方だった。非常に聡明な方で、Tさんが書いたごみ処理問題についての記事を何回も読み返しては、ごみ処理経費はこんなに市税がかかっている、それってゴミを減らせばだいぶ節税もできるのに、という共通の問題意識を得ることができ、ぜひ直接お会いして色々教えていただきたいと思った。
Tさんは、とても温かく迎えてくださって、あの記事についてさらには、環境談義に大いに盛り上がった。わたしはTさんに「わたしは、環境について自分なりに関心は高い方だったけれど、主体的に何かやりたいと思うようになったばかり。ぺぇぺぇなんです。でも、食料自給率の問題の本や環境問題についての本を読み漁っていたら、20年前に出版された本の内容が、まったく今の時代にも当てはまっていて何ら改善されていないことに気づいて愕然としてしまう。こんなに大学の教授とか有識者が政府に呼ばれて会議とかしているのになんで浸透しないんだろうって・・・20年で何も変われなかったから、、この先20年後も、同じようなことを議論し続けるかもしれないと絶望すら感じる」と言った。
すると、Tさんは「そうね、“なんか言っている偉い人”で終わっちゃってるのよね。それで市民の思考はとまってしまう。温暖化とかゴミの問題とか、大学の頭の良い学者たちがなんか言ってるけど、私たち市民はどうしたらいいかわかんないってなるのかもねぇ」
とおっしゃった。
その一言は結構鮮烈なインパクトを私にもたらした。確かに、これ以上環境に負荷をかけると、あぶないですよって、スーツ着た頭の良い人が上から目線で言っているように見えると、庶民には届かないのかもしれない。
何か言ってる偉い人、なんか言ってる頭の良い人。
こういう人にはならないようにしたい。なんか言っているだけではなく、行動して実践してそれを同じ目線で伝えていく人、そういう人にわたしはなりたい。
Tさんとの会話から、はっと気づかされたこのことは、今もなお、わたしの頭の隅にいつもある。
