主婦というのは、たぶん消費者の最前線にいる。かくいう私もその一人だ。スーパーなどで食材を調達するのは日々の暮らしの基本。そして、毎回の買い物の際には、コストと鮮度、栄養バランス、時短色んなことを考えて買い物をするが、減らそうとしても、どうしてもプラスチック容器で二重にも三重にも包まれた商品を買わざるを得ないことが多々あり、ストレスに感じていた。
それなら、今少しずつ浸透している容器持参でプラスチックフリーな買い物をしてみるのも手ではないか。まず気になっていたのは、豆腐。タッパー容器を持参し、街の豆腐店に行き、豆腐を買うということにチャレンジしてみた。
たいていの豆腐屋さんは、快く対応してくれるが、時折「今日は全部パックしてしまった」ということもある。
こんな買い物ができた時は、満足感が高い。

そして、デパ地下のコロッケ。
ショーケースに5から7種類のコロッケがお皿に並べられている。お店の人に注文をすると、トングでプラスチック容器に入れ、輪ゴムで留められ、さらに袋に入る。
その様子を見るたびに、「ここまで包まなくてもいいんじゃないか」と思っていた。
当時、そのデパート内にあるオーガニック食品店でスタッフとして働いていた私は、仕事を終えた後ユニフォームを着たまま、そのデパ地下で買い物をしてから着替えて帰宅することがあった。
コロッケは、毎週水曜日に特売だったので、その日を狙って朝からカバンに空のタッパー容器を入れて出勤。
コロッケを注文するときに、ベテランのパート社員さんに容器を渡して、「すみません、エコなもので、こちらに入れていただけますか。」と頼むと快く対応してくださっていた。


しかし、ある時、夕方までのシフトで働いた日があった。5時に仕事を終えて、同じように容器をもってコロッケを買おうとしたら、若いバイトの男の子だった。「この容器に入れてもらいたいのですが」と渡すと、「少々お待ちください。」と言って、厨房に行き社員さんに確認しにいった。そして、厨房から店長らしき若い男性が、出てきて私に「すみません。結論から申し上げますとこちらの容器に入れてお渡しすることはできません」
と言われた。続けて、その男性は「この容器にばい菌がついているとは言いませんが、ご自宅に帰ってから、食中毒にあったなど言われた場合に責任が取れないので、できません」と言う。
わたしは「いつも、ベテランのパートさんはやってくださっていますし、わたしの責任でお願いしているので、お店にクレームを入れたりしませんのでだめですか?」とあきらめずに言ってみたが、
「お店側の責任があるので、できません」と。
そこで、ポリ袋にそのままコロッケを入れていただいて、自分でお会計の後に、タッパーに入れて持ち帰る、と言うことにしてどうにか何個もかさばるプラスチックパックに入れてもらうことは避けられたが、このやりとりに時間をとられたことが非常に煩わしく思ってしまった。けれど店長にも事情があるのだろう、とも思った。
帰宅してからも、「ベテランのパートの女性たちはやってくれていた」と言ったことで、次の日にその店長は、「持参された容器への提供は全部お断りするように」などと決まり事を増やしてしまうのではないか、などと気を揉むことにもなり、以後そこのコロッケを買うことから足が遠のいてしまったことは、双方にとって残念でしかない。
エコなことがしたいだけなのに、なかなか思うようにはいかない。
プラスチック問題というのは、どうやら私ひとりの気合いだけでは解決しないらしい…と、コロッケを食べながら思った。
