2021年10月18日~20日まで開催されていたサステナブルファッションexpoに行ってきました。なんと、今年記念すべき第1回の企画だったとのことで、さすがにSDGs、サステナブルという視点がある特定の層だけでなく、日本のファッションビジネス界全体にもぐいぐいきているのね~ということがうかがえました。

本当に久しぶりの展示会。国際展示場こと、東京ビッグサイト、この日は快晴。黒ジャケットに白デニム、コンバースのスニーカーで業界っぽくキメて、颯爽と歩きまくってきましたので(!?)、そのレポートをしていきたいと思います!

SDGs環境目標に特化した営業支援・商品開発事業を立ち上げた私としては、プラスチック削減にファッション界がどう取り組んでいるのか、どんなエコな素材で新商品が展開されているのか、という情報収集と、新たなビジネスの出逢いがあれば、という期待をもって足を運んだ次第なのですが・・・

まず、ファッションワールドエキスポという大きなくくりの中に、サステナブルというカテゴリーも混在していたので、「サステナブル・ファッションEXPO」と書かれているゲートから入ってまず、GAPのブースを発見、スニーカーなどシューズの展示がされていましたが、サステナブルというような説明がなくて、どこがサステナブルなのか??と気になってしまいました。

担当者の方に単刀直入にお伺いすると、「正確に言うと、GAPのブースはサステナブルで出展していないので、サステナブルの商品の展示ではありません」とのこと。かくっとなってしまいました・・・苦笑。GAPのキャンバス地のスリッポンとか、なんかSDGs路線にできそうな気がしたのですが・・・価格もリーズナブルだし、まぁ、サステナブルにはこの値段で取り組めるのは現実的ではないのでしょうね。

気を取り直して、見ていきます。

まず全体の印象で感じたのは、アパレル業界、商品そのものをSDGsにがらっと変えていくというよりは、”副資材から変えていくサステナビリティ”と掲げているように、販売する際のタグやフック、外装パッケージを脱プラ素材にしていく、というプロモーションは多く見られました。これは地味に消費者には嬉しいところです。

タグを再生紙にしたり、ブラウスのプライスを結び付ける紐をコットン100%の糸にしたり。

パルプモウルドでできたマネキン

ひときわ目を引いたのは、この卵パックに埋もれたマネキン。アパレルの店舗、スタジオなどに必ずあるマネキンやトルソー。これを紙製にした、というもの。出展社の担当者に話を聞くと、やはりお客様で、プロダクトそのもののSDGsを図るのがなかなか難しいという場合でも、まずこういうマネキンを脱プラにするということで、お店のインパクトにもなるし、わかりやすい取り組みでもある、とのこと。

木の糸コンソーシアムさんのこのタペストリーも、とても惹かれました。木から糸を作る技術がある、という発見。また品質も良いのですが、日本の”地場産業を盛り上げたい”というところが特に共鳴しました。お話をお伺いしたご担当者の方は、長野県の森林組合で林業をされている方だったことも、こういう会場でお会いできるのは貴重な機会で嬉しいですね。

東京の木から布ができる!?

こちらも、木から糸を作り、布生地になるということで、この布から女子美術大学とコラボしてバッグを制作するなど商品の企画を様々しているそうです。

プラスチックフリーなコスメも展示あり。こちらはフランスのメーカーのものだとか。右のチークのケースは、竹製。こういうのは使い心地が良さそう!日本にも放置竹林がたくさんあるから、こういう竹のコンパクト製品が増えたらいいのにな・・・

そして、この展示会で、一番注目した展示はこちらです!!

株式会社TENTAC

”グリーンナノCO₂OFF”

プラスチック製素材に(下着を買ったときに入っているチャック式の袋など)炭化促進剤を混ぜて(詳細は企業秘密だそうですが)製品化すると、それを燃やしたときに二酸化炭素排出量を減らせるのだとか。

環境オタク目線から、この包材は日本が焼却大国でほとんどのプラスチックゴミを加熱処理している現状をきちんと把握されていてそこに着目した技術である、という点で高く評価させていただきたいと思いました!!

㈱TENTACのご担当者さまからお話をお伺いしていても納得。「日本発の技術であり、日本に適した素材なんで、逆に埋め立てをしている欧米には適さないのが現実にあります」と。

今度、近所のイトーヨーカドーをチェックしに行きたいです。ちょうど子供の下着を買い替えたいし。

見た目はプラ包装ですが、グリーンナノと書かれていれば、買って袋を捨てるときの罪悪感が減らせて消費者には嬉しい。

レインコートにもグリーンナノが使われています。㈱TENTAC

不必要な資源の使用を削減すること(過剰包装をなくすことも含め)のほかにも、技術を駆使し、素材をサステナブルにする、また日本の国内天然資源、地域資源、人材資源を活かして日本の経済を守っていく、という流れに期待したいと思ったこのサステナブルファッションEXPO。

みなさんの参考になれば幸いです。