日本は一人当たりのプラスチック容器包装ゴミ排出量が世界で第2位、というショックからわたしは、2021年4月プラスチック削減の商品開発提案の事業KANKIKUを立ち上げ、日々、プラスチック削減をどう実現するか模索しています。

そんななか、「容器包装は本当に必要?事業者とつくる、エシカルな容器の未来」というテーマのディスカッションセッションが8月にありまして、そちらに参加させていただいたときのこと。ある方が、チャットに「海外では、モノマテリアル軟包材に注目がされていますね」というようなコメントを書き込まれました。

ぱっと見たとき、”モノマテリアル軟包材”という言葉がいまひとつわからなくて、「???」となり、ネットで調べてみると、「あ、単一素材のプラスチック包材のことね」と理解したことがありました。

モノマテリアル軟包材、だなんていう言葉、一般的にはあまり聞かないじゃないですか・・・笑。検索してみると、シャンプLUXなどのユニリーバが詰め替え用パウチを単一素材にしてリサイクルを図る、というような取り組みがされて、その記事には”モノマテリアル軟包材”って使われていました。

凸版印刷、モノマテリアル軟包材がユニリーバの新製品に採用 | 凸版印刷 (toppan.co.jp)

ということで単一素材=モノマテリアルが着目される理由についてちょっと触れておきましょう。

プラスチックと言ってもいろんな種類の素材があって、ペットボトルからペットボトルに生まれ変わるマテリアルリサイクルをするには、この素材が単一である必要があるんですよね。

なので、日本でプラ容器包装資源回収されているあのプラスチックたちは、素材がごちゃ混ぜなので、プラスチックリサイクル率が80%超えていると言われる中でも結局のところ、そのうちの7割は燃やして熱回収するサーマルリサイクルという方法で処理されているのが実情。残りの1割だけが再生プラスチックとなっているというのが現実なのです。

特に、加工食品はプラスチック容器包装されているものがほとんどというこの世の中。食品の品質保持、鮮度保持、衛生管理のため、ということで食品メーカーの多くは、何層にもして複合素材のプラスチック包材を使っていることが多いのです。

その代表例が、マヨネーズ。

多層構造ボトル:ポリエチレン層の間に酸素を通しにくい層を挟み込み、
酸素を遮断しています。(酸化を防ぎおいしさを長くキープする工夫)

今年、わたしは、マヨネーズには本当に翻弄されました・・・苦笑。

1.エコなマヨネーズを取り入れるべく、瓶入りのマヨネーズをいくつも試して買ってみた。

エコ意識の高い友人と春先だったかな、久しぶりに会って環境問題談義をしていたとき、彼女から「生活クラブに入っていて瓶入りマヨネーズにしている」「慣れると瓶でも不便さを感じないよ」という話を聞いて、パルシステムに長く加入しているわたしは、生活クラブに入るのはちょっと難しいな、と思いましたが、KINOKUNIYAなどのちょっと上品系スーパーに行くとキューピーの瓶入りマヨネーズが売ってたりするのでそちらを購入。値段は330円くらいでした。

六本木のグランドフードホールに行ったときも、日本の上質な瓶入りマヨネーズが売っていてそれも買ってみました。500円くらいだったかな・・・

そんでもって、夏には近所のスーパーにアメリカの瓶入りマヨネーズを発見し、それも購入。それも600円くらいはしました。→このマヨネーズは我が家の口には合わず、家族全員から不評・・・

アメリカのヘルマンズの”REAL MAYONNAISE”と私の好きな味の素”ピュアセレクト”

2.メーカーにパッケージについて意見を送った。

さらには、キューピーの瓶入りマヨネーズの中でも、別格の品質のこだわりマヨネーズ”卵を味わうマヨネーズ”という商品があり、デパ地下で見かけましたが、瓶容器のマヨがさらに紙とプラスチックケースで立派に包まれ、これではプラスチックの過剰包装だから買えない、とモヤモヤ。メーカーに「お客様の声」として、瓶入りのこだわりマヨネーズを選ぶ消費者というのは、エコ意識の高い方が多いはずなのでニーズに合っていないのではないか、このように過剰にプラスチック包装するのは残念だと思います、とご意見を送ってみたりしたことも。こういう大手企業さんは、お客様相談室からの返信が”神的に”早いものです。「お客様の貴重なご意見感謝申し上げます。担当部署にお伝えし、今後の商品の参考にさせていただきます」という完璧なご返信をいただくので、それ以上申し上げることもなく平和に終わります・・・笑。

義理の兄にこの話をしたら、「メーカーもこういう過激派の顧客は慎重に大事に扱わないといけないからねぇ・・・」と言うのだから、「え!?わたしって過激派なの!?」といって笑い話となったり・・・

今年はかなりのメーカーさんに”商品自体に魅力があって”パッケージだけ環境配慮したらさらによくなると”期待したい”という商品について、ご意見を送ってきましたが、「クレーム」と受け取られているかもしれないな、ということは理解しつつも、おせっかいおばちゃんは気にしてはいられません。一人でも多くの同じような消費者からの意見が集まれば、過剰包装をなくした商品パッケージに生まれ変わる可能性だってあるのだから。

3.先人のアイデアを参考にした。

わたしの愛読書である、20年前に大量消費社会の便利な世の中に疑問を呈し、エコライフを実践してみた元毎日新聞記者福岡賢正氏の書籍を読んでみると、福岡さんもマヨネーズを手作りにしてみたりしたそうですが、夏場の腐敗などを懸念し、手作りマヨネーズは断念したとのこと。まだ私は手作りしたことがないのですが、もしかしたら来年あたりは手作りにチャレンジするかも・・・

という感じで、あれこれ試してきて、私がどう思ったかというと。

1)私は、いくつものマヨネーズを食べ比べして、やっぱり味の素のマヨネーズ「ピュアセレクト」の味が一番好きで、ピュアセレクトでポテトサラダを作ったり、生姜焼きに添えるせん切りキャベツにピュアセレクトのマヨネーズをかけて食べたいのよ、と思いを募らせた。

2)瓶入りマヨネーズはチューブに比べてやっぱり便利さに欠ける。忙しい主ふには便利な食材がやっぱり助かる。

3)瓶入りというだけで一般のチューブマヨネーズより高いものを妥協して買って、さらに大好きなピュアセレクトを我慢してほかのマヨネーズを買っているという犠牲感を感じて腑に落ちない。

ということで。

ピュアセレクトなら、200円弱で買えるし、プラ削減のために、自分の好きな味のマヨネーズを我慢して、数倍の値段の高い瓶入りのマヨネーズを使うことに嫌気がさしてしまったんです。

このチューブのマヨネーズは特に酸化を防いでおいしさキープのために、メーカーさんが複合素材のチューブにして商品化しているし、単一素材にしても使い終えた後に、洗っても油汚れによる水質汚染のこともあるし、リサイクルは難しいのでは??

そんなことを考えると、これからの時代のマヨネーズって、どうしたらいいのでしょうか・・・なかなか完璧な改善策が思いつかないのですが。

先日ご紹介した、テンタック㈱さんの燃やしても二酸化炭素排出を6割ほど減らせるエコなプラスチック素材「グリーンナノCO2オフ」でチューブ容器が作れたらいいのかな??

味の素の担当部署の方が、もしこのブログを読んでくださっていたら、ぜひピュアセレクトファンの私のような消費者が、プラゴミを出してしまう罪悪感から解放されるようなマヨネーズ容器に取り組んでいただけたら嬉しいです。

”必要悪”という言葉があるように、エコなマヨネーズを試行錯誤してきた結果、わたしは、この”必要悪”という意識を心の片隅にもちながら、我が家のおいしい食卓のために、チューブマヨネーズのピュアセレクトを愛用することにしました。

環境に良いから高くても買いましょう、環境に良いことをするために自分を犠牲にして取り組みましょうでは、気持ちが続かないですからね・・・

これを読んでくださった方は、これから環境によいマヨネーズ商品について頭から離れなくなり洗脳されてしまっているかも・・・笑。ぜひ色々スーパーなどお買い物行かれた時はパッケージの素材について見てみてください。ちがった視点でお買い物してみると新しい気づきが生まれてきます。そして、こんなエコフレンドリーって感じの商品があったよ!というコメントもお待ちしています♪