こんにちは、KANKIKUこと環境のきく子です。

先日6月14日の朝日新聞に”がくぜん 日本の「使い捨てプラ文化」”

の記事が紹介されました。朝日新聞6月4日配信、デジタルサイト内の「Re:Ron」にチリの環境専門家アレックス・ゴドイさんが、寄稿されたというこの記事を紙面で要点を伝えてくれているものです。

https://www.asahi.com/articles/AST620PSFT62ULLI00FM.html

ゴドイさんは、今年の2月に一家で初めて日本を訪れ、観光を楽しんだそうですが、その一方で

見せ方と衛生管理という意味でとても感心しつつも、使い捨てプラスチックの使用量があまりにも多すぎると思いました。

とのこと。

ごもっともです。

バナナやりんごにもプラスチック包装、クッキー1枚ずつプラ包装、アニメショップにいったら、アクリルキーホルダーにプラ包装、さらにレジでも袋に・・・駅弁を買ったら、しょうゆやしょうがの小分け袋、弁当容器も2重3重とプラスチックのトレーが重なっていて・・・

ちょっとヤバくないですかね、って驚いてしまったそうです。

”日本は一人当たり年間30㎏以上のプラスチックを使い、国内で年間900万トン以上を生産する世界有数のプラスチック消費国です。”

と説明したうえで、”工業力を反映したのではなく、日本の包装文化に深く根付いた消費行動を反映していると言える、”とのこと。

”これは、日本の消費モデルで構造的なパラドックスを生んでいる”

と指摘するゴドイ氏。何がパラドックスなのか・・・というと

”世界でも有数の廃棄物管理システムを持っていながら、収集されたプラスチックの50%以上が「熱回収(サーマルリサイクル)」という名目で焼却されています(プラスチック循環利用協会、2022)。この方法は、資源循環を妨げ、温室効果ガスの排出にもつながり(OECD、2022)、リサイクル・リユースのない直線型経済の延長に過ぎません。”

新聞のこの記事の見出しには”編集部から 環境問題 外から見ると”と書かれています。

しかし

『文化的に』根付いてしまっているこの過剰なプラスチック包装は、外国の方から見て言われずとも、プラスチックのごみによる環境問題について知っている日本人なら、誰しもが痛感していることでしょう。

でも、どうしたらいいかわからないし、しょうがないよね、とあきらめているか、もう気にしていられないというか・・・

文化的に根付くプラスチック過剰包装のギフト商品の多さ

日本には包装文化、というものがしみついているのは、よくわかります。これは本当に悩ましいところ。売れるためには、売れるパッケージングが必要であり、モノと気遣いを大事にする心を表わすには、包むことでカタチあるものに生まれ変わる、そう日本人は気を回しているのです。

例えば、冠婚葬祭の時。故人をしのぶ気持ちに対して参列者ないし、お心遣いをいただいた方に、香典返しを贈りますが、これがまた過剰包装になっていることは必須。

また例えば、旅行のお土産、または何かのお礼の気持ち、お世話になっている方へのお中元とお歳暮。箱に入れられたお菓子たちは、形状を保つために、1個ずつ個包装されており、さらにその個包装の中のケーキには型崩れしないようにぴったり合うプラスチックのカップに入れられていることも多い。

お菓子本体よりも、包装されているモノの方がカサが多かったりします。

これではゴミが増える一方。しかし、先方の気持ちなので、”必要悪”ととらえ、流すしかないですし、文句など言えるはずもありません。

こういうことが今後も続いていくことに、複雑な思いを抱かざるをえないのは、わたしだけでしょうか。

日本人が気づかなくてはいけないのは、この使い捨てプラスチック包装がゴミではなく資源でありリサイクルされていると思い込んでいるところで、プラスチックを廃棄することへの罪悪感が薄いことではないでしょうか。

実際には、このプラスチック資源は循環しているのではなく、多くは燃やされている、という事実を知ることはまず大事なことではないかと思います。

ゴドイ氏は、”日本が抱える真の課題は、廃棄物処理のみならず、材料工学から回収物流までを含む産業システム全体の再設計にあるのではないでしょうか。”と述べています。日本の技術力なら、アジアをサステナブルな技術でもってリードしていけると期待してもらっているようなのですが・・・

つまるところ、日本人の内から見ると、本当にその包装資源を使う必要があるかどうか、というところから見直さないといけないのではないか、と常々思うのです。

使う前提ではなく、不要な生産、不要な消費はやめるのが鉄則。これが浸透するにはなかなか前途多難なのですが、こうやってあきらめないでまずは発信していくしかない、そう思ってこのブログを書きました。

最後まで読んでいただきありがとうございます!