こんにちは。KANKIKUこと、環境のきく子です。

令和の米騒動、政府としては備蓄米放出し、まずは、しのいだところで、今は連日、お米の値段を下げるにはどうしたらいいかが争点になっています。

振り返ると昨年の夏頃から、急にスーパーなどの店頭にお米がなくなり始め、米不足からの最近は、お米の価格高騰で5㎏4~5000円、なかなか国民には厳しい経済状況、そして小泉進次郎氏が農水大臣後任として着任し、先月からは備蓄米放出で5㎏2000円ほどのお米を求め、お店には早朝から大行列というニュースを目にするようになりました。

1年半前までは、お米は日本人の主食なのに、消費量が減ってお米が余ってる、もっと食べてほしいといろんなキャンペーンをするなど、テコ入れするような状況だったのに、こんなに状況が一変する速さには驚くばかり。

KANKIKUは、2020年から日本の米余りの状況を改善し、全体的に低い食料自給率でも自給率100%の米の消費アップを目指し、お米の食べ方のバリエーションを増やすべく、米粉の推進活動をしてきました。2021年当初は、下記の米粉倶楽部という農水省が立ち上げた倶楽部に参加、その後、農林水産省が勧めている「フードアクションニッポン」運動にロゴが移行し、こちらにも推進パートナー登録をさせてもらっていました。

2023年終わり頃までは、それこそ米粉をもっと活用して日本の米文化を広げていこう、という商品開発も盛んで、幕張メッセや東京ビッグサイトで開催されているFoodexなどの食の展示会では、米粉ブースが用意されるほど。米粉の麺、パスタ、バームクーヘンやシフォンケーキなど小麦粉ではなく米粉でも美味しい提案をしようと日本全国の食品メーカーが商品開発に力を注いでいました。(今も続いているとは思いますが)

わたしも米粉の魅力を伝えるためのクッキングワークショップを企画開催し、”余るなんてもったいない、もっとお米食べよう”という発信をしていましたし、どうしたら多くの方に関心を持ってもらえるか、毎日一生懸命試行錯誤をしていました。当時は、オートミールダイエットが流行ったり、パンやパスタの人気が以前と高く、お米を食べないという人も結構いるんだな、という実感はあったくらいです。

それが、ここにきて状況が一変。

私のように、日本の食料自給率向上を目指しお米の消費アップを発信してきた身としては、お米がお店の棚に並ばなくなって買いづらくなってきたとたんに、多くの方が「お米が買えないなんて・・・」とパニックになる様子にオイオイと思うことも・・・。米粉でバリエーション増やそう!なんて言っている場合ではない感じです。

半年前は、オーガニック食品店で働いていて、いつもはお店で扱うお米は、2㎏で3600円くらいする高い有機米で、あまり頻繁に購入されることもなかったのに、特に、シニアの女性のお客様たちが、お米が少なくなってからは、目の色を変えて、お米が入荷されたら買い貯めしようとする方やパックごはんをまとめ買いしていく方が次々と現れました。入荷してもあっという間に完売。

その後、お米の値段は確かに上がってきて、今年に入ってから値段は昨年の1.6倍から2倍になることも。さすがに、驚いてしまいましたし、育ち盛りの子どもがいるファミリー層には、なかなかきつい状況です。

ところで、わたしの夫の実家は群馬で農家をしており、お米も作っています。ここ最近は”あさひの夢”という品種のお米を栽培し、農協に卸しています。実家に帰省すると20㎏ほどもらって帰らせてもらえて、本当に有難い。

「今までが安すぎだったんだよね」

5月に帰省した際に、お米のことを聞いてみました。値段が高くて、びっくりしちゃう、と。しかし、義兄と義母は「まぁ、今までが安すぎたんだよね。」と言っていました。「本当は、農家がお米を作って売るなら、5kg3500円くらいは妥当なんだよ、そうしないと続けられないよね」

それを聞いて、そうか・・・と自分の浅はかさを反省しました。

たしかに、今、物価高、不景気で生活が厳しい状況の方がたくさん日本にはいるでしょう。だからお米が昨年の2倍なんてなったら大変。でも、今までが安すぎた、というのも明らかにごもっともな事実です。

だからこそ、離農する農家が毎年毎年増えている。

お米の値段よ下がれ下がれ、と言うのはなんだか申し訳なく思ってしまうし、米不足なんて言われながら、食品ロスがいまだに多いなんて、もっとおかしな話。

多くの人が、お米の有難さを痛感したのは逆に良い気づきだったと思うのです。

お米の値段が下がってくれ、というだけではなく、全体的に日本の食をどうしていったら良いか、バランスを考える、これは家計管理の延長でもあると思います。適正な生産消費システムの改善。環境のことは、なかなかじぶん事にならないみたいだけど、お米のことならじぶん事に思えるじゃないですか?毎日食べるものだから。

個人的には、古古古米などの古いお米をいつまでも備蓄せず、今回放出したのは賛成。料理を作る人なら、お米は生鮮食品だという認識だから、みんなで早めに食べたほうがいい、と思います。ローリングストックの考えです。

有難く国内みんなで美味しく食べて、買い支えて、絶対にムダにしない。この令和の米騒動をきっかけに、そういう価値観が広がることを願っています。

群馬県の田んぼの稲
黄金に輝く稲穂