こんにちは。環境のきく子さんこと、KANKIKUです。遅ればせながら・・・今月初めに、都心は都心の虎ノ門ヒルズまで、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンとイクレイジャパン(ICLEI)主催の第2回国際プラスチック条約シンポジウムに行ってきた報告です。
サブタイトルは”-1.5度と整合的な循環経済に向けた、世界の脱プラスチック規制の動向と条約のあり方”
世界の脱プラスチック規制の最新動向と、日本におけるプラスチック問題改善のための現状確認をしたい、という目的で来場。あいにく、シンポジウム後のレセプション(主催者や登壇者と来場者の交流会)には出席できなかったのですが、正直なところシンポジウムには、上記の目的を遂行できれば、まぁ良し、だけどあまり期待をしないで行こうという気持ちでした。
なぜならば、シンポジウムというのは、登壇者はしゃべって小難しいことを真面目に語り悦に入り、それを聞きに行くという行為自体で参加者は満足してしまう、というのが往々にしてあるから。
KANKIKUを始めたころ、文献を読み漁っていたら、20年30年前に出版されていた環境問題に関する本の内容が現代の抱える状況となんら変わらないということに愕然としたものでした。環境問題専門分野で長らく研究しているなんていう、どこそこの超名門大学名誉教授とか、起業家とか、カリスマ●●とかに登壇してもらって有識者会議を開いてメディアで取り上げてって、政府も開いているのにあれはなに??・・・と。そんな話を人生のセンパイである聡明な年配の女性に愚痴ったところ、彼女がこう返答したのが忘れられない。
「”なんか言っている頭の良い偉い人”っていうので、止まってしまってたのね」
今回のシンポジウムは、主催と登壇者の方々の気概は感じたものの、まずは登壇者の方が多くて、それぞれも持ち時間と話したい内容が足りず、なんだか急ぎ足でたくさんの話を詰め込んでしまっていて来場した身としては、集中して聞くので精一杯、その後、虎ノ門ヒルズという超高層都会的ビルへ繰り出した恍惚としたお上り状態を感じつつ、冷静になると消化不良だったような印象。
だから、わたしは「なんか言っているだけのヒト」にならないように、プラ削減の実践を子育て家庭の主婦という生活者の立場で、また消費の現場を販売側から見てみるなど、徹底的に当事者として日々リサーチし、発信し、提案する人をしているわけです。
ただ、良かったのは、来月に国際プラスチック条約の最終交渉が韓国で開かれるよ、ということを日本でも広められていたこと。
そして、個人的に収穫だったのは、ファクトである、
この20年でプラスチック生産量は世界全体で2倍に増えたという事実を確認できたこと。
来場者に資料というものは配布されなかったので、プレゼンのグラフがなく、帰宅してから、日経新聞の記事を見つけ再確認できました。
日経新聞2024年5月23日の記事によると、
”世界のプラスチック生産量はこの20年で2倍となった。21年に世界で発生した使い捨てプラスチックごみはおよそ1億4000万トンにのぼる。回収されたプラスチックごみの8割ほどが埋め立てや海洋投棄されており、海洋生物や人の健康への影響が懸念される。”
20年前から2倍、と改めて言われると衝撃を受けませんか??
わたしはここ数週間、この20年で暮らしにどんな変化があってどういう状況でこんなにプラスチック大量生産大量消費大量廃棄されてしまったのかずっと考えているんです。若かったあの時のプラスチックと自分の暮らしってどうだったっけ??って。
わたしが大学を卒業するころくらいから、ということだから、当時の暮らしぶりを振り返ると、ひとつ明確に思い出せるのは明らかに安くて便利な大量消費で溢れかえったこと。100円ショップに安価なプラスチック商品、プラスチック包装のものが大量に販売され、ファストファッションだったり、業務スーパーのような激安スーパー、大手のショッピングモール、IKEA、ニトリなどが登場し、その後コストコも上陸。価格が安くて庶民も気軽に欲しいものを買えるような生活が生まれました。スターバックスが日本に上陸したのがたしか私が18歳の頃で、テイクアウトでコーヒーを飲むという文化も花開いたような・・・そういえば、六本木ヒルズができて、ネットビジネスが一気に広がって・・・ペットボトル飲料は高校生の頃からあったけれど、今ほど安く大量に気軽にどこででも買える感じではなかったかな・・・自動販売機もこんなにたくさんなかったような気はする。
また、抗菌への意識もCMで高まり、液体ボトルの洗剤がたくさん出てきて、ウェットティッシュでさっと拭いポイっと捨てましょう、みたいなこともそのころからだったような・・・
さらに、ここ4年では、コロナ禍により、さらに個包装や不織布マスク、テイクアウト容器の増加など、プラスチックの過剰消費が起きてしまいましたね。
2024年までで2倍に増えたけれど、どうやら対策や規制をしなければ、さらに増えるようだ、というのは資本主義経済が鎮座している世界のシステムをみればそうだろうと思います。危機感募りますよ、さすがに。
それではまずい。そのために世界規模でプラスチックを削減し、温暖化を食い止めるためには、条約を決めて規制を強制的にするしかない、そんな動きが海外では起きています。
日本人はこういうとき、状況が複雑だから、とまたしても難しく考えてしまうところがあって、なかなか踏み切れない。
だから
難しく、複雑に考えるのをやめてみよう、と消費者の代表格でもあるわたしは言いたいです。
複合的な問題が絡んでいる、ということで、解決が難しいよね、って言ってしまえるプラスチック問題ですが、まず使い過ぎないように、さっさとプラスチックを製造する企業、排出する企業、廃棄する個人には、環境負荷税のような名称で課税して使いたくなくなるような意識や仕組みづくりをし、「安く作れて使えて、遠慮なく捨てられる(資源化してるから大丈夫でしょという安易な考えも含め)」というのをやめたほうがいいです。わたしも、余計なゴミを出したくないです。捨てるのも掃除するのも手間ですし、モノが増えるのも困りますから。
プラスチックがある生活がこれほどまでに必需品的になったのは、便利だから。
便利すぎは市民を甘やかすだけで、その人のためにはならないということ。環境負荷だけでなく、私たちの健康にも支障をきたします。
まずは、減らしましょう。無駄を。企業も消費者も。
プラスチックを減らす取り組みは、環境問題に興味がある人だけが取り組むものではなく、みんながやらなければならない問題です。
罪悪感なく、気軽に使っていい時代は終わりなのです。
だって、2000年の頃って、すでに豊かで便利だったと思いませんか?それからプラスチックの生産を倍増させて、倍に幸せになっていますか?
石油資源をばかすか使うのは、あきらかにおかしい。
過剰なライフスタイルはもう限界に来ています。
やらなくていいこと、いらないな、ということをそのままにせず、改善するということはとても価値のある事なので、ぜひ企業の方は、その精神で仕事してください。
鼻息荒く、プラスチック消費削減を切に訴える環境のきく子さんことKANKIKUでした。