西東京市の農業振興計画推進委員になって1年。その前には、都市計画審議会に市民委員として関わったことから、市内の生産緑地の動向や都市農地保全に関心がありライフワークとなっています。

KANKIKUの事業を立ち上げてからは、食料自給率や輸送エネルギーコストの観点からも”地産地消”の魅力をさらに実感、日本の農業の課題改善を多面的にとらえながら農家さんの販路開拓など経営的な面でサポートできたらと、この一年で多くの生産者さんとつながりができるようになりました。

そんな中、都市農地に関する定期講演会のご案内をいただき、表参道にあるウィメンズプラザ(国連本部の裏側)まで足を運ぶことにしました。

知りたかったことは、2022年問題がどうなっているのか、という現状。これについては国土交通省、農林水産省から担当者の方が登壇され、詳しく説明してくださいました。都市農地があるべきものとして、保全の必要性を多くの方が持っていて、2022年問題については特定生産緑地制度に移行され、ひとまず宅地化が急激に増えるというような影響は起きないだろう、とのこと。

しかし、土地活用に関する民間専門家の方からのお話を聞いて、

法律上は改善されたとしても、都市農業は高齢化による後継者不足、収益性からの継続経営の厳しさの観点からも衰退していく恐れがあるのが現実的で”経営的視点”で農業に取り組むことが必要、ということに納得しまして、そういう論争こそ、このようなセミナーではもっと深く進めるべきだと思いました。

今、調べていたらwebマガジンでとても分かりやすい記事がありましたので、上記のことを詳しく知りたい方はぜひお読みください。

【「ビジネス視点」で読み解く農業】儲かる「都市農業」を作らなければ未来が無い 「生産緑地の2022年問題」の現在地 (3/3ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト

全国でなかなか良い取り組みをされているコミュニティガーデン、菜園付き住宅の不動産販売、第6次産業(第一次×第二次×第三次産業の融合による農業の融合的取り組み)の紹介、ショッピングセンターの空きフロアを活用した植物工場の話などはとても参考になりました。

せっかく足を運んだので、質疑応答の時に、挙手し、なんてことのない質問をしたところ、有難いことに会場にいらしてた農業関連分野でご活躍されている方々から、講演会終了後、声をかけていただきたくさんの方とお名刺交換をして、視野の広がるお話をお伺いすることができ、びっくりしながら帰宅しました。リモートで講演会に参加することも良いのですが、音声が聞き取りにくかったりすることもあって、今回はしっかり学びたいということから実際に会場に訪れましたが、こういう思いがけない人とのつながりができるのは率直にうれしいことです。

しかし。この3時間でいろんな知識を詰め込んだため、帰宅しながらなんだかモヤモヤと腑に落ちない気持ちに。都市農業だの日本の農業を盛り上げるだのという講演会には常々欠けていることがあるということ。それは何だろう・・・と電車に揺られながら考えていくと”需要と供給のバランス”なのではないか、と気づきました。

農家さんは生産したものをしっかり売って稼ぎたいわけで、私たちも農家さんが稼いで生活潤ってもらわないと農地も保全できないわけで、それでも日本は大量の食品を輸入して、安く買える仕組みができていて、食品ロスも多く、日本でいいものを一生懸命作っても需要がないのかもしれない(米余りの話などは深刻)・・・

国としても”国防”の意識から日本の農産業の経営サポートに取り組む必要があるよな・・・ということ。

こういう講演会をすると集まって大学の先生などえらい方の貴重なお話を聞いて「農業は大事だ」なんていう話を聞いて気持ち高ぶっていい話聞けた、勉強になった~という自己満足で終わり、となりがちなので、やっぱり販路開拓し、収益を目指す民間のビジネス手法は必要だと確信しました。

都市農業に限って言えば、ただ単に野菜を生産して販売して収入を得る、というのは限界があると思うので、コミュニティ事業だったり、土地の有効活用で第6次産業の取り組みなど新たな展開を考える必要もあるのかな・・・

私にはどんなことができるのだろうか・・・マルシェなどの販路開拓のお手伝いはできるとしても、そういう小さな売上を上げていくことではなく、もうちょっと大きなスケールでいつかは都市農地保全の観点と農業を継続経営していくビジョンの組み立てに参画してみたいな、とそんなことを考える講演会となりました。