こんにちは。環境オタクと覚えられるようになったKANKIKUこと環境のきく子です。最近、とても近しい方に「なんかあなたのことじゃないんだけど、環境×2って言われると、うざったらしいのよね。でもきく子さんは営業が得意分野なんでしょ。環境に良いからって言わないで、これ美味しいからいいよというだけのほうが売れるんじゃない?それで買ったら環境にも良かったが不随してくるくらいで」と言われました。

まぁ、そうなのです。

結局のところ、わたし自身も環境にいいっていうなら買ってみよう、ということでこの1年、美味しくはなかったり、たいした機能ではないけど”環境に良いから”という理由で買ってあげたものがたくさんありだいぶ出費がかさみました。(しかもそういうのがけっこう安くなかったりします)そういうお買い物だと、その後、腑に落ちなかったのはたしか。だからこそ、

先に結論から申し上げます。

日本の緑茶や和紅茶は美味しいので、ぜひ日本人の老若男女の皆さんにもっと買って飲んで”お茶で一服”の習慣を取り入れてほしいな。

シンプルなんです。お茶については。

日本の各種お茶というのは、”素朴でほっと落ち着く味”だし、具合が悪いときにでも飲める。(逆にコーヒーは体調不良の時はわたしは、飲めないです)

茶畑の風景を見るとなんだかほっこりする。

心もカラダも満たしてくれるのが、お茶なのかな、って。

わたしはそう改めて思います。(実は昔、茶畑が通学路にあって、茶園のクラスメイトと茶畑で寝そべって遊んだこともある埼玉県所沢育ちなのもあり。)

前回は、KANKIKUセレクトの新茶選びとその楽しさをお伝えしました。

日本茶の魅力最前線~新茶シーズンを愉しむ~ – KANKIKU for the Future (kankikublog.com)

結論は、みんなにコーヒーや外国産紅茶ばっかりじゃなくて、日本のお茶を茶葉から淹れて飲んでほしい、ということなのですが、今日は、私自身が日本茶を推進する社会的ポイントについて説明していきたいと思います。

1.日本の茶農家の減少が著しい・耕作放棄地が増加

2021年3月に、埼玉県の茶農家さんと知り合い、その時にはじめて知ったのが、日本茶産業は”斜陽産業”と言われている、ということ。日常的にお茶は日本中にあるし、ペットボトル飲料でもたくさんの日本茶が販売されているので、最初その話を聞いたときはそんなことはないのではないか?と疑問でした。

その後も、日本茶アンバサダー協会の方が”今にも消そうな日本茶産業に光を照らしたい”とどこかで書かれているのをお見かけし、本当なの??と気になりだしまして。

日本全国の茶農家はこの20年で4分の1にまで減少している

※農林水産省「茶をめぐる情勢」令和4年資料より引用

本当にそうなのか?というのを探って茶農家さんや、耕作放棄地からの新たな産業となりそうな”茶の実油”の生産者の方々、また食関連の専門家の方と交流を深めていくと、どうやら本当なのだということが見えてきたのです。

こちら農林水産省の「茶をめぐる情勢」という分厚い資料から引用してきましたが、この茶農家数の推移のグラフを見ていただければ一目瞭然。全国合わせて20年前は54000家弱あった茶農家は、20年間という短い期間で12000ちょっとになっているというのです。茶業をやめていくというのは、お茶の消費量が減少し、経営がやっていけないから、ということが一番、その次に若手後継者がいない、ということです。少子高齢化、人口減少なので、数が維持されることが完全に大事というわけではないですが、この数字はSDGsの観点からすると、不安視する数です。

その次に着目するポイントはこちらです。

2.輸送距離やウォーターフットプリント(水の使用量過多による環境影響数値化)から考えるコーヒー・紅茶輸入による環境負荷は過剰

気候変動の大きな要因のひとつが、二酸化炭素排出量。世界とつながり、貿易をして豊かな食生活、文化を謳歌してきた先進各国。しかし、SDGsが国連で提言されたように、いま、私たちはこれまでの生活スタイル、社会システムの上にある価値観が次世代にとって持続可能であるかどうかを、一度立ち止まって考えるときが来ています。

日本もそのひとつですが、日本は島国なので、特に諸外国と貿易をすることによる環境負荷を出してしまう国なのです。理屈ではなく、感覚でふと周りの食環境を考えてみてほしいです。

コーヒーショップはやたらにあって、そのコーヒーは日本にとって地球の裏側から運んできている、つまりコンテナ船に積み込まれた大量のコーヒーを大量の二酸化炭素を排出させて日本に持ってきて、使い捨てプラカップなどに淹れて安く提供している。逆に、コーヒーという嗜好品には、スペシャリティコーヒーといって1杯1000円でもお金を惜しまなく飲むという方がたくさんいる。かたや、日本茶は飲まれなく、生産者は明日の生活にも不安で苦境にいる。

また日本には茶栽培に適した土地があり、茶業はそれこそ1000年以上もの歴史があるほど。緑茶のみならず紅茶の製造もできるのに、なぜか昔、英国が植民地で支配して栄えたインド・スリランカはじめとした労働問題も指摘される国で栽培される紅茶を大量に安く輸入している。

それにより、日本の茶農家さんは専業農家ではとてもやっていけない、心も折れる(せっかく美味しく作った日本茶に、すぐとなりにいる日本人が目もくれず、”coffee”という新しくかっこいい字面と文化に夢中で、興味すら持ってもらえない・・・)というお話を実際、都内の大きな展示会で静岡県の生産者さんからお聞きすると、とても胸が痛みました。

東京都市大学 環境学部の研究発表資料。
コーヒー1杯作るのに216ℓの水を消費している。

コーヒー消費文化というのは、実は複雑な問題であって、環境のためにどうしたら良いのか、という答えは難しいですが、日本におけるコーヒーの消費の在り方は、日本の茶産業(立派な農業のひとつです)の抱える悩みを作っている要因の一つであることは否めません。また、外国産紅茶のウォーターフットプリントも大きな問題となっています(欧米各国は自国で栽培する環境がないですが、お茶消費量は非常に多いので)。

これらの環境負荷を考えると、日本には茶栽培に恵まれた自然環境と歴史的にも優れた製造技術があっておいしくて体にもやさしいお茶があるなら、日本のお茶をもっと飲めばよいではないか、と思うのです。輸送距離も短く済みますし、水問題も外国に比べたら負担が少ないですし。

ただ、わたしは、とにかくbreak time が大好きなので、実はコーヒーも紅茶も大好き。コーヒーを飲むなということは言わないですし、私自身もコーヒーを愛飲しますが、バランス、ということを考えて飲むようにしたいと考えるようになりました。なぜ、わざわざアフリカからコーヒー豆を運んできているんだろう・・・と最近気になってしまい、なるべく輸送距離や社会的背景を加味し、エシカルな選択ということで東ティモールのコーヒーを愉しむようになりました(個人的な思想かもしれません)

それから、実は、コーヒーが飲めない、という日本人もたくさんいるのに、ビジネスの場面やお客様にコーヒーを当たり前のように出すことも、なぞです。じつは困っていた方も多くいるはず。(営業先で出されたら無理して飲む、というのは営業マンの方にはお分かりかと・・・)

緑茶が飲めない、という人は聞いたことがないので、「コーヒーにしますか、紅茶にしますか、緑茶にしますか」という3択があるといいなと思っています。むしろ、無難にでも緑茶をだしてもらうので良いと思うんだけど・・・。

書いていくうちに長くなってしまいました・・・

本当は、和紅茶(国産紅茶)の魅力について、プラスチックゴミ&ペットボトルの問題や茶業の新たな展開”茶の実油”活用、ウェルビーイングとお茶の時間についても触れたかったのですが、それはまた後日第3弾ということで、今日はこの辺でお別れします。

今日の記事を読んで”日本茶飲んでみたくなった”と思ってもらえたら、とても嬉しいです。ちなみに緑茶は朝か昼がおススメ。夜飲むと、カフェイン効果で眠れなくなるかもしれないので・・・・!