こんにちは。KANKIKUこと”環境のきく子”です。わたしはエコロジストではなく、環境活動家でもない”SDGs推進事業家”として日本の消費の光景をエコフレンドリーにすることを目指し、企業と消費者をつなぐ橋渡しのようなことを仕事にしています。
さて、そんな堅苦しい前置きをしてしまいましたが、さっそく今日の本題に。
サステナブルな生活、エコなこと、ゴミを減らしたい・・・何かした方がいいけれど、何からやればいいかな・・・ということを消費者が悩んでいると思って、毎日使う歯ブラシを竹素材や脱プラ素材の歯ブラシを開発し販売する企業もたくさん出てきました。
世界でプラスチック製歯ブラシの廃棄量は年間36億本、日本では4.5億本?
世界で1年間に廃棄されているプラスチック製歯ブラシは約36億本で日本での廃棄量は4.5億本になる、というような記事がネットを見ると書かれています。歯ブラシメーカーが公表しているデータだそうですが、正直なところそのような数字の数を聞いてもピンとこないという方のほうが多いのではないでしょうか。かくいう私もその一人。それよりも、歯ブラシをどれくらいの頻度で新しいものに換えているか、ということを考えたほうがよりイメージしやすいかと思います。
よく歯医者さんが・・・とか衛生的に・・・などと歯ブラシメーカーが推奨するのは、「ブラシが開いてきたら交換時です。」「1か月に1回交換しましょう」ということ。つまり、ひとり1年間で平均すると12本かそれ以上使っているという計算になります。
だから、毎日使うものだから、竹の歯ブラシなどサスティナブルなものに替えましょう、という提案がされていますが・・・
エコな歯ブラシはクオリティと価格に課題大。
わたしもそんなにいうならと、”サステナブル”だ、という歯ブラシをいくつか試したりリサーチしてきました。
日本の竹を使った日本製のエコな歯ブラシが使いたい!なんならブラシの部分も脱プラがイイ。そんな要望に応えてくれるのは、こちらの竹のeco歯ブラシ。柄の部分は日本の竹とポリ乳酸を混ぜて作られております。自然分解するため使用期限2年という期限を一応設けられていますが丈夫で長持ちしそうです。品質はとっても良いのですが、1本あたりの価格はドラッグストアで気軽に買える歯ブラシの5倍くらいはしてしまうのがネック。日本のエコ上級者の方が多く愛用している歯ブラシで、よりエシカルを重視する方はブラシの部分が動物性(豚毛と馬毛の2種類あり)ではなくひまし油を使用したブラシのモノにされています。
次に、日本の非食用米をなんと歯ブラシに使ってしまうというプラ削減歯ブラシ。こちらはホテルのアメニティでしたので、値段はついておりません。持ち手の部分も空洞にしていてプラスチック使用量を削減していますね。ブラシの部分はナイロンなのでプラスチックですが、袋に書いてあるとおり、日本産の歯ブラシ、日本の余ったお米を利活用している、プラスチック削減することにより石油消費量を削減し、日本産にすることでも二酸化炭素排出量を削減できます、というアピールポイントは非常に高い。
ただ、お米が35%ということは65%はプラスチックを使用しているという点で、脱プラには及ばないという歯ブラシであり、またホテルのアメニティということで使い捨てを想定されているかもしれない?というところは課題。持ち帰って長く使ってくれればよりエコな使いかたになる。小売りされた場合の価格も気になるところ。
磨き心地はとても良いらしい(10歳の娘の旅行用に使っている)。これも使い捨てするにはもったいないほど丈夫に作られています。
さて、3つ目はわたしがポップアップでイベント販売する際に、竹製のエコな歯ブラシのコストに注力して、「安くて手軽に手に取れる歯ブラシ」を探していて、ネット通販で見つけたもの。ホテル向けの業務用なので250個での販売ということでサンプルを取り寄せました。一本当たり75円という破格!小さな歯磨き粉とセットになっているので歯磨き粉はいらないな、と思ったのがまず1点。販売元に問合せたところ、竹は中国産で製造は愛媛県の歯ブラシ加工メーカーで行っているとのこと。実は使い捨てを想定されているのかもしれませんが、安いのになかなか使い心地が良く、かれこれ3か月もっており値段的にもエコ的にも満足度が高い。
色々比べてきましたが、
竹製の歯ブラシでエコライフをしようとすると、日本製のものがほとんどないしあったとしても値段的に贅沢な歯ブラシになり、気に入るのは一部の奇特な人になりそう・・・
日本で買える竹製の歯ブラシの課題
1.欧米輸入もの→輸送距離が長い。二酸化炭素排出量を考えるとエコなのか?となる。ネット通販のため5本などセット売りが多い。ヘッドが大きいものが多く、細かいところまで磨けるのか疑問。子供用もあるが、いいものかどうか買う時は”賭け”になる印象あり。1本売りがセレクトショップなどで販売されているが、とにかく高くて躊躇する。
2.コストを考えると、中国産の竹製歯ブラシになる。→社会的観点・経済的観点からも竹そのものが中国であるし、中国製のモノに依存しているというところはエシカルなのか?と疑問。ただ、歯ブラシのコストは比較的抑えられるのでそこは嬉しい。
3.歯ブラシの柄の部分は竹でも、ブラシ部分がナイロンなのか、天然毛なのか・・・ブラシの部分まで脱プラを重視すると、歯ブラシの価格は600円超えをする(中にはただの竹の歯ブラシなのに1500円することも!)。そして、細かい汚れやゴミを磨き落とせるか疑問。
4.日本製でないということは、輸送距離がかかることになり、総合的な観点からエコなのか?となる。そして、日本製にしてもそうでないものにしても、エコだからという理由で歯ブラシ自体の機能性を考えると、歯ブラシメーカーが研究に研究を重ねて大量生産されたあまたにあるプラスチック製歯ブラシには機能面、価格面で勝てない。
5.となると、エコなことをしたいがために、高いお金を払っているという自己満足と損した気持ちのバランスに悩む。(歯ブラシ1本にみなさんいくら払えますか?)
実は、環境のきく子なんて名乗っている私ですが、竹のecoな歯ブラシやら固形歯磨きタブレットも使いつつも、併用して愛用しているのはこちらの超音波電動歯ブラシです。
20代半ばに、歯科検診を受けたときにたくさん虫歯があります、というショックな出来事があり(ぼったくり歯科だったのかもしれませんが・・・)その時に、奮発して超音波の電動歯ブラシを購入。それから14年になりますが、まだしっかり働いてくれているのです。ブラシヘッドの部分は家電量販店で買うのでプラ包装ゴミが出ることには目をつぶるしかなく、価格も安くはないのですが、10数年大きな歯のトラブルがないし、壊れないので使い続けているのです。
毎日使う歯ブラシだからこそ・・・どう使うべきか歯医者さんに聞いてみた
環境と歯ブラシ問題は、エコ推進者の間でも迷走していて・・・わたしは色々と使ってきて社会全体がエコフレンドリーになるにはどうしたら良いか日々考えまくりました。
歯磨き粉についても同じくなのですが、それを話すとまたまた長くなりますので、今日は歯ブラシのみについての提言をいたします。
竹の歯ブラシに皆が買い替えるよりも、まずは今使っている歯ブラシを長く大事に使い廃棄する量を減らすほうが効果的。
天然毛の高めのエコ歯ブラシと、3つめに紹介した竹製の安いアメニティ歯ブラシ、電動歯ブラシをかかりつけの信頼できる歯医者さんに持っていき、実際に今まで疑問に思っていたことをずばり聞いてきました。
わたし「歯ブラシって、わたしは軽く当てて細かく磨くので、ブラシが広がらないのですが、それでも1か月で替えないといけないのでしょうか。実は、この歯ブラシは3か月くらい使っていますが、それってだめですか?」
歯医者さん「先が開かなければ、磨き終えた後きちんと洗って乾かしているのなら問題ないです、実際にわたしも2,3か月同じ歯ブラシを使っていますよ」
わたし「!!!」(歯医者さんでも長く大事に使っている!)
わたし「この歯ブラシ達ですが、どれが一番よいですか?」
歯医者さん「わたしなら、この75円の竹の歯ブラシですね。ヘッドが小さくて奥まで磨けるのは大事です。電動歯ブラシでも構いませんが、大事なのは細かく角度を変えながら歯に充てて磨くこと。大学に残っている先生たちもたいていの方が電動ではなく、手動の普通の歯ブラシを使っています。」
「強くあてて磨くとすぐにブラシが開いてしまいますが、力は入れずに細かく磨く、糸ようじを使う、そういう丁寧な磨き方をすれば歯ブラシは長持ちします」
なるほど!!!
ということは・・・
自然分解するエコな歯ブラシを使うことが正解ではなく、地球規模で歯ブラシのゴミの量を減らすには、お気に入りの歯ブラシを長く使うために磨き方を直しましょう。(力を入れず細かく磨く!)
それがエコフレンドリーの近道!!
1年間で12本使い捨てている歯ブラシを2か月ごとにすれば6本になる。
ひとりが徹底的なプラスチックフリーな生活をしてエコな歯ブラシ使用をするのには限界があり(広がりが生まれるには時間がかかる)、皆がハードルを低くし、「損もしない」そして、「難しくなくできる」エコフレンドリーライフを取り入れることが、近道なんじゃないでしょうか。
そういうことで、わたしは寿命で壊れるまでは、電動歯ブラシを使い続けたいと思います。壊れたら・・・環境にも自分にも納得のいく歯ブラシを見つけたいです。
「なんか、1ヶ月ごとに歯ブラシ変えたほうがいいってテレビで観たから」とまったく開いていないきれいな歯ブラシを捨てるのはもったいないです!歯磨きの仕方の啓蒙のほうが大事なのかもしれません。