エコライフのために環境にいいものを買おうとしたとき、
「あれ?思ったより高いな・・・」と感じることがある。

長く使えば結果的にお得、という考え方もあるのはわかる。
それでも、買うときに少しためらってしまう——そんな場面、私はこれまで何度もあった。


さて、ご存知のように私は2020年頃から環境問題に目覚め、プラスチックによる環境負荷を知れば知るほど、できるだけ使わない暮らしを取り入れたい、と思うようになった。

そこでまず目を向けたのが、歯ブラシだった。
毎日使うものだし、日本人は平均、月に1本のペースで交換するらしいから、年間で12本。そう考えると、たしかにプラスチックごみとしては気になる存在だ。(実際、わたしは2,3か月のペースで交換している。)

「それなら竹の歯ブラシを使ってみようかな」と思い、いろいろ調べてみた。

しかし調べてみると、なかなか一筋縄ではいかない。

アメリカなど海外製の竹歯ブラシは、輸送距離を考えると本当にエコなのか迷う。Amazonなどで買えるが、セット販売が多くて結局割高。磨き心地もわからないので気軽に試しにくい。
中国製であれば価格は抑えられるけれど、中国製のモノに依存しているというところはエシカルなのか?と疑問。

さらに、柄は竹でもブラシ部分がナイロンであれば、完全な“脱プラ”とは言えない。ブラシまで天然素材にこだわると、一気に価格が上がる。中には1本1000円近いものもある。


実際にいくつか使ってみた。

↓当時のリサーチした記事はこちら。

プラ削減のための歯ブラシ選びと使いかた~色々比較リサーチ&実際に歯医者さんに聞いた結果、KANKIKUからの提案~ – KANKIKU for the Future

心地よいものもあったけれど、細かいところまでしっかり磨けるかという点では、これまで使ってきたプラスチック製の歯ブラシのほうが優れていると感じることも多かった。

しかしながら、値段は数倍。ドラッグストアでは大手ヘルスケアメーカーの磨き心地も良いプラ製歯ブラシが100円、200円台で買えるのにも関わらず。

ポップアップイベントを企画開催しているので自分のショップで、エコ歯ブラシを仕入れて販売したこともあるが、できる限り抑えても1本500円が限界だった。日常的に使うものとしては、やっぱり少し高い。


歯ブラシだけの話ではない。

国産、オーガニック、天然素材。
「環境にいい」とされるものを選ぼうとすると、これまで使ってきたものより高くなることが多い。

あれこれ試しているうちに、気づけば出費はじわじわ増えていく・・・


環境にいいことをしたいだけなのに、ほかの人より多くお金が出ていくなんて馬鹿らしく思えてくる。

考えていくと、これは私の買い物の仕方の問題というより、もう少し大きな話なのかもしれない。

環境配慮型の商品は、まだ市場が小さくて、大量生産によるコスト削減が効きにくい。一方で、プラスチック製品は長年かけて効率化され、安く手に入る仕組みができあがっている。

つまり私たちは、
環境にいい選択をしようとすると、どうしても”割高になる構造”の中にいるのだ。


「意識が高いから高いものを選んでいる」のではなく、
選ぼうとすると高いものしかないのだ。

そんな場面がまだ多いのが現実。これでは大多数の庶民には続かない。皮肉な言い方をすれば、高いものを選んで買う余裕のある人々は、斎藤幸平の言う”SDGsの免罪符”的暮らしを実践できるということだ。


庶民のわたしだって環境にいいことしたいだけなのに。

そのシンプルな気持ちが、こんなにややこしい問題につながっていること自体、やっぱりどこかおかしい気がしている。

環境問題は、個人の意識や善意だけで解決できる段階をとっくに過ぎている。

それでもなお、私たちは日々の選択を迫られる。
そしてそのたびに、「正しいこと」を選ぼうとすると負担が増える。

私の場合、負担が増えることに嫌気がさして、歯磨きで言えば、竹の歯ブラシにこだわることはやめて、プラ製でも歯ブラシを大事に長く使うこと、歯磨き粉も朝は(安い)塩で磨くことにした。こういう工夫と妥協で試行錯誤の日々は続く。